身近な人に「人間」が大好きな人がいる。


言葉は適当でとにかく羅列する。
嘘ばっかりでのっぴきならない。
寂しがり屋で純粋ストレート。
女性が少し苦手だけど、男同士では下世話な話しばかり。
そのくせめちゃくちゃ人懐っこくて少年みたい。
この世の警戒心なんていつの間にか解いてしまう。


そして物凄く「人間」が大好きなんだなと感じる。
何故だか信用してしまう。


人間に生まれてきて、人間が好きなのは凄く当然な気がする。
でも、言葉とは裏腹にそう簡単ではない事は誰もが感じてるはずだ。


その人を見ていると、話しが合うとか趣味が同じとか味覚が似てるとか、見た目が男前だとか可愛いとか、本当どうでも良いと感じる。
もっと手前、核の様なその人の人間力みたいなモノに惹かれるか引かれるか。
とても尊敬している。


気の合う人々が皆一緒に歩いて行ければ、これほど楽しい事はない。


しかし長い、いや短い人生の中でどれほど歩みを共に出来るのだろうか。


同じ道を歩いていける人。
そう感じていても、結局ただとても広大な交差点の上で交わっていただけの人。


それは、振り返る時にしか分からないのだろうか。


今は終着点を考える余裕は、正直言ってない。


だからただ目の前の人達と共に、瞬間を必死で生きる以外に道は他に無い。


そう、いつ道が別れるのかは誰にも分からないのだから。