トニー滝谷という邦画を見た。


イッセー尾形さんの感情を極限まで押し殺したような演技による一人二役。


宮沢りえさんの凛として限りなく透明に近い繊細な演技が際立つ一人二役。


まるで時間がゆっくりと流れているかの様に錯覚する、アングル自体が横にスクロールしていく手法。


その湿り気のある独特な声質が、まるで添え木の様に時に優しく日常に溶け込んでくるナレーションは西嶋秀俊さん。


要所要所の所で役者も語り手のセリフを喋り、主観と客観が交錯する様は、感傷的になる場面の淡泊さをより加速させていく。


そして、場面場面の人間の感情の輪郭までもはっきりと浮かび上がらせてくれる、心の琴線に触れる音楽は言わずもがな、坂本龍一さん。


ここまでつらつらと語った言葉なんて正直どうでも良い！！


とにかく心が静かに掻きむしられてしまったのです…。


今年は、トニー鴫原と名乗ることに決めました！