「先入観を打ち砕いて頂いた老女。」


雨の中を道標を持ち、ただ佇んでいた。
背にはすぐ、家族的という大手コンビニエンスストア。
輝かしい未来以外、何でも揃うに違いない。


ふと道路の向かい側を見ると飲料水のよくある自動販売機。
喉を潤す様々な液体が手に入るに違いない。


よく見るとその飲料水に紛れて、何故かチップスターという星の名の付くデンプン質を発見した。


馬鹿な。笑止な！
その程度の品揃えと存在感で自分の背後にひかえる大手コンビニエンスストアに立ち向かおうというのか！
奇をてらうという事を完全に勘違いしている！


数分後、経験という荷物でリュックをパンパンにさせた老女が登場した。


飲料水には目も暮れず、数にして九個もチップスターを買っていた。


一矢を報いていた。
いや、この場合は九矢を報いていたのだろう。


人生において、決め付ける事が一番視界を狭く、また感性を鈍くするのです。