歳を重ねる内に、好きなものの「好き」度はそれはそれは確実なものになっている。

相方を含め、感覚人間（自分はそう呼んでいる）の人達の好きなものに理由は要らない、という。
強いて理由を挙げるのであれば、「好き」と思ったから。

でも理屈人間の自分は、何か不安で「好き」や「合う」自体に理由を探してしまう。
人であれば歳や性別、家族構成、環境、骨格、声色、喋り方、服装、髪型、趣味etc.…
物でもルーツや生産国、材質、形、色、遠い昔の記憶etc.…

それは上げればキリがない膨大なデータをかき集め、整理して「好き」たる証拠を掴もうとするんだ。
曖昧な感情、物は、言葉に表そうとする。

若いうちは、「好き」でも色んな角度の「好き」があったのであやふや。

最近はどうだ。
話しの合う人に聞いた本は、有名ではないが好きな本。
有名ではない本の主人公が好きな音楽は、有名ではないが好きな音楽。
有名ではない音楽のルーツは、有名ではないが唯一行ってみたい国。
有名ではないが唯一行ってみたい国には、有名ではないが好きなブランドがある。
有名ではないが好きなブランドは、有名ではないが好きなお店で売っている。
有名ではないがそのお店には、話しの合う人が通っている。

何が言いたいかと言うと、この歳での「好き」の角度は確実なものじゃなかろうか。
磨かれた「好き」を媒介として本質でループの様に繋がれるのではなかろうか。

言葉はいらない。そろそろ感覚を信じても良いかもしれない。
って、なぜ今自分は思っているのだろう…。